March 25, 2019

つくば産ワインに乾杯!(茨城県つくば市)

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The city of Tsukuba and the Tsukuba-Plant Innovation Research Center, launched by the University of Tsukuba, organized a seminar titled “Dawn of Japanese wine” on Feb. 10. | CITY OF TSUKUBA

茨城県のつくば市は、気候条件的に日本有数のブドウの産地である山梨県の甲府市にも劣らないとされている。さらに筑波山周辺の花崗岩質が風化した土壌は,海外の有名ワイン生産地であるローヌ(仏)・サルディーニャ島(伊)・グラニットベルト(豪)などと同様であり,今後生産されるワインの味わいに期待できるという。さらに関東ローム層に覆われた平坦で肥沃な土地が広がっており、そこでは豊富な作物が栽培されている。

このような自然環境に恵まれているにも拘らず、 つくば市の農業は、高齢化や後継者不足に悩まされてきた。その一方で近年、 遊休農地を活用してワイン用のブドウ栽培を行ったり、ブルーベリー等の果物を生産する新規就農者が現われてきた。こうした動きに呼応して、つくば市では新たな小規模施設での酒類製造を可能にして、つくば産のワインやフルーツ酒を新しい特産品とすることで、新規就農者を支援すると同時に、遊休農地を解消していくことを目指している。

その動きの一端として、市は国に構造改革特別区域計画(「つくばワイン・フルーツ酒特区」)を申請し、平成29年12月26日付で茨城県内では初となる特区の認定を受けるに至った。この認定により、酒税法によるワインの最低製造数量基準が6kl から2kl に緩和され、市内のBee’s Knees Vineyards(ビーズニーズヴィンヤーズ)とTsukuba Vineyard(つくばヴィンヤード)という2カ所の小規模なワイン醸造用のブドウ園が、自分の醸造所でのワインの生産を目指せるようになった。

髙橋学氏が代表を務めるTsukuba Vineyardで作られたブドウでできたワインは平成 28 年度に流通し始めた。同氏は土壌の微生物や有機肥料、減農薬等を通じて土を管理し、つくばの土地と気候に最も適したブドウ品種の選定と育成を行っており、2020年の自身のワイナリーの完成を心待ちにしている。

一方のBee’s Knees Vineyardsの今村ことよ氏は、ワインへの愛情が故郷のつくばに戻ってワイン作りに関わりたいという気持ちと相まり、さらに筑波山の土壌で育ったブドウからどんなワインが出来るか知りたいという好奇心に火がついて、平成 27 年よりワイン用ブドウの栽培を開始した。まだ小規模ではあるものの、ビーズニーズのワインには、独自のミネラル感やボディがあり、今までの日本ワインには無いタイプのワインとして、今村氏は手応えを感じているそうで、今後順調にブドウが成長し、ワイン生産量が増加し、取引先が拡大していくことを願っているという。

このような前向きな動きをサポートするため、つくば市もワイン用ブドウ園の整備やブドウの苗木を購入するための補助金を拠出している。また、ブドウ栽培やワイン醸造に対して科学的なアプローチをとり、筑波大学とボルドーとの連携を生かして、本年2月にはボルドーから専門家を呼んでワインワークショップを開催した。さらに今後は、つくばに合ったワイン用ブドウの種類や栽培方法等について協力を仰いでいく予定である。

今村氏は「豊富で味わい深いつくばの食材と共に、ビーズニーズのワインを消費者に楽しんでいただければ」と、話している。また髙橋氏もつくば産ワインの将来に大いに期待しており、後継企業の参入を歓迎しているという。さらに「つくば産ワインは、つくば市をワインツーリズムやアグリツーリズムの拠点に成長させていくきっかけになると思います。将来は、飲食店や宿泊施設といった地場産業とのコラボを通じて、ワイン祭りなども開催していきたいですね」と、希望を膨らませている。

こうした将来展望から、つくば市は今後、地元の食材を使った料理や風光明媚な景観とつくば産のワインとのペアリングが楽しめる魅力的な観光スポットとなっていくことが期待されているのである。

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