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地域のユニークな特徴を活かす〜瀬戸内ジャムズガーデン代表取締役社長の松嶋匡史さん(山口県周防大島町)

February 28, 2018

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A bridge to Suō Ōshima, Yamaguchi Prefecture | JAM’S GARDEN

山口県の周防大島にある瀬戸内ジャムズガーデンのオーナーである松嶋匡史氏は、地方に移住して起業をした成功例だ。30名のスタッフと共に、毎年150,000瓶のジャムを造っている。

妻との新婚旅行で訪れたフランスで、妻がアクセサリーショップで買い物をする間、松嶋氏は時間つぶしに隣の店に入り、そこで初めてコンフィチュールというものを目にした。多種多様なジャムの瓶が、棚という棚に天井から床までびっしりと並べられた様子は、日本では見たことのないものだった。

もともといつか起業したいという漠然とした希望を持っていた松嶋氏は、これだと確信し、35歳で電力会社を退職した。そして妻の出身地である瀬戸内の島、周防大島でジャム工房を始めた。

起業するにあたって、義理の父親が、所有する寺の一部を貸してくれた。今では工場、店舗、カフェを擁する複合施設となったジャムズガーデンは、寺の片隅の小さなスペースからスタートしたのだ。

「実は、寺とジャムというのは意外な組み合わせでもないのです」と松嶋氏は語った。寺には檀家から様々なお供え物が寄せられるが、その多くは地元で採れた果物や野菜だ。いただいたものを粗末にすることは寺の習わしや信条に反するため、ジャムのような保存食にするという伝統があったというのだ。

松嶋氏は、徐々に事業を拡大し、従業員も増やす中で、急速な高齢化にあえぐ島を活性化する方法を常に考えてきた。

島では利益を生み出す方法が見つからないから若い人が島を離れてしまう。利益を生むには新しい価値を創造しなければならない。松嶋氏は、「人々の味の好みの多様性に応えられる商品を作ることができれば新しい価値になりえます」と話した。

平野での単一品種栽培は効率は良いが、標準化された作物は多様な商品を生み出すには適さない。島や中山間地は、作物の品質を均一にすることが難しいため、一般的には画一的な農業には適さないとされている。土地に高低差があったり、日当たりにも差があったり、土壌の性質も場所によって異なることから、一種類の作物を一定の品質で大量生産することが困難だ。

「でも多様性を求めるならこれらの特徴が有利に働くのです」と松嶋氏は語った。例えば、他の木の陰になる気温の低い場所で育ったはっさくは、山の南側の斜面でたっぷり日光を浴びて育ったものと比べると苦味が強い。「甘いものと苦味のあるもの、二つの味を楽しめるのです。さらに、はっさくの苦味に合うチョコレートと組み合わせたりなどすることでもっと味のバリエーションが広がります。」

ジャムズガーデンではマーマレードだけで70種類が作られている。「大きさや質のばらつきによって市場に出すことができなかった果物や野菜もちゃんと使われ、味わってもらえるようになりました」と松嶋氏は言った。

松嶋氏は、このようなやり方で、里山(日本各地の農村地帯に隣接する山岳、丘陵、森林地帯)における農業をより持続可能なものにし、ジャムズガーデンで雇用を生み出していくことを目指す。地方経済の活性化により過疎化を食い止めることができれば、里山を守ることにもなる。「消費者も農村部の環境保全に参加しているわけです」と松嶋氏は言った。

松嶋氏は、自身のように周防大島に移住して働きたい人のために、島くらすという会を運営している。島くらすでは、海岸を清掃するイベントなどを通して、移住者が地元の人と交流する中で、今ある地域の資源を活かして新しい価値を生み出す方法を模索できる場を提供している。

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