May 29, 2021

【玉木 林太郎】企業と投資家に生じる、視点のギャップ

玉木 林太郎
公益財団法人国際金融情報センター 理事長

ESG経営シンポジウムの終盤、投資家や企業側のESGのエキスパートらによるディスカッションを総括して、公益財団法人国際金融情報センター理事長の玉木林太郎氏が3つの気づきを参加者と共有した。

まず1点目は、企業側と投資側にはまだESGや気候変動に関する視点の違いが存在するということである。非財務情報としてのESGの要素を投資判断に取り入れるべきだとする投資側の議論と、それにともない企業に変革を求めていくという段階からは徐々に進化し、経営側と投資側が「対等の関係あるいはお互いに高め合う関係になった」ことは認めつつ、両者の力点の違いについて述べた。

つまるところは当然リターンが重要である投資側に比べると、経営側はより幅広いステークホルダーの視線にさらされているため、「社会的な存在としての企業のそもそものパーパスから始まって、様々な社会的、環境的、そして自らのガバナンスのテーマに光を当てている」としつつ、この違いもいずれはステークホルダーの意識の変革とともになくなるだろうとの見方を示した。

2点目に玉木氏が指摘したのは、ESGや気候変動の取り組みがどの程度主流化されているかということに関しては日本にはまだ改善の余地があるという点である。サステナビリティ関連の記事の量が日本語のメディアに比べると英語のメディアは圧倒的に多いことに触れ、国民意識を高めることが、こういった取り組みの加速につながるとした。

3点目に、政府の役割の重要性について触れた玉木氏は、「ESGや気候変動について無縁な役所というのはおそらくない」と述べ、経済社会システムの担い手として「いかに人々が、ビジネスが、投資家が行動すべきかということを示さなければならない」と述べた。

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