January 29, 2022
セイノ-ホールディングス 環境サステナビリティに向かってひた走る
日本の物流サービスの大手、約90年の歴史を有するセイノーホールディングス株式会社(セイノーホールディングス)。岐阜県に拠点を置く同社は近年、人々の生活の質や利便性を犠牲にすることなく、同社のサービスを持続可能かつ環境に優しいものにするための努力を加速させている。
セイノーホールディングスの子会社の1つ、西濃運輸株式会社(西濃運輸)はエコドライブの推進において顕著な取り組みを進める企業を表彰するエコドライブ活動コンクールの「事業部門」で、最優秀賞にあたる国土交通大臣賞を過去6年間に2度受賞している。エコドライブ活動コンクールは公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団とエコドライブ普及推進協議会の主催により毎年、開催されているものだ。
西濃運輸は2006年から、ドライバーの意識向上、エコカー導入やドライバー教育、他にも燃費効率の良い運転を実現するための取り組みを行なっており、こういった努力が2度の国土交通大臣賞をもたらした。同社はさらに、様々な手段により、二酸化炭素(CO2)の排出量削減に加え、ドライバー不足問題の解消にも尽力している。急速に高齢化が進む日本社会では、労働人口が減少し続けており、トラック運転手も高齢化している。輸送産業を持続可能なものにしていく上で、気候変動と労働力不足への対応策はどちらも等しく重要だ。
2018年に、西濃運輸は車両長が当時の特車許可基準より数メートル長い、全長25メートルの「ダブル連結トラック」の導入にあたって、国土交通省が実施した実証実験に参加した。この実験により、全長21メートル超のダブル連結トラックは標準的な大型トラックを使用するよりも、ドライバー数を半減できると共に、燃料消費量を抑え、CO2排出量も40%削減することが可能であることがわかった。
エネルギー消費と労働力の観点から、より効率的に貨物を輸送するもうひとつの方法は鉄道への切り替えを推進することだ。同じく2018年に、西濃運輸は鉄道貨物会社3社‐日本フレートライナー株式会社(日本FL)、日本貨物鉄道株式会社(JR貨物)、仙台臨海鉄道株式会社(仙台臨海鉄道)‐と提携を結び、大阪府・吹田貨物ターミナル駅‐宮城県・仙台港駅間で毎日1往復、直行貨物の運行を開始し、トラック60台分の貨物を鉄道輸送へシフトした。これにより、CO2排出量が年間1万3,810トン削減された。
昨年、西濃運輸は日本FLおよびJR貨物と協業し、3月には愛知県・名古屋貨物ターミナル駅‐福岡県・福岡貨物ターミナル駅間で、さらに10月には東京貨物ターミナル駅‐広島県・東福山駅間にて、編成の一部を貸切で輸送するコンテナ列車「混載ブロックトレイン」の運行を開始した。貨物は西濃運輸のトラックによって駅に持ち込まれた後、日本FLが貨物列車に積載し、JR貨物が直行輸送する。二路線のブロックトレイン運行を合せると、CO2排出量を1年間に1万3,805 トン削減することができるという。
西濃運輸はCO2排出量削減の他にも環境への取り組みを行っている。同社既存サービスの1つが引っ越しだ。引っ越しでは大量のごみが出る。しかし、他の誰かが使い道をみつければごみにはならない。西濃運輸がリサイクル業者やリユース企業と協力して、引っ越しサービス利用客が不用品を売り払うだけでなく、寄付という形で社会活動に貢献できるプログラム「エコループ」の提供を始めた理由はこれだ。引き取り可能な物は本、CD、ゲームソフト、デジタル機器、カメラ、宝石、楽器、スポーツ用品やブランド品など。契約一件に付き一定金額が利用客の選択に応じて、障がい者支援組織や発展途上国支援団体に寄付される。利用客が希望すれば買取り提示額の一部を寄付することも可能だ。一番の利点は、利用客はオンライン登録をして、自宅に届いた段ボール箱に売りたい物を詰めるだけでよく、荷物は集荷してもらえるという点だ。査定結果はEメールで通知される。
西濃運輸がリサイクルショップをチェーン展開する総合リユース企業と提携を結び始めた新サービスはウェブサイトに掲載された家具や家電などの大型アイテムの引き取りを行っている。製造10年以内の家電や過去10年以内に購入した家具(一部例外あり)が3個以上ある場合は出張買取を依頼することができる。
輸送ネットワークを活用しつつ、物流業界内外の主要プレーヤーらと協業することにより、セイノーホールディングスは今日の環境および社会問題解決に全力で取り組んでいる。