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日本独自のグリーン・タクソノミー作成を

August 01, 2019

Japan Times ESG Consortium

Climate Bonds Initiative CEO Sean Kidney discusses Japan’s potential efforts in the fields of green bonds and green finance during an interview with The Japan Times in Tokyo on June 20. | YOSHIAKI MIURA

Climate Bonds Initiative (CBI) の CEO であるショーン・キドニー氏は、最近の来日時のインタビューで、日本の政府や民間に対して「グリーン・レボリューション」をさらに進め、この分野での世界の流れに追いつき、けん引していくよう求めた。

グリーン・ボンドとグリーン・ファイナンスの世界的な専門家であるキドニー氏は、6月20日に東京で開催されたセミナーに出席した。そのセミナーでは、欧州連合(EU)のタクソノミー(分類、定義)とそれが日本に与えうる影響、最近のグリーン・ボンドの発行状況や日本とグリーン・ファイナンスの今後などについて、話し合われた。

CBI と国内外の官民連携を推進する Green Finance Network Japan が共催した、このセミナーの終了後、キドニー氏はジャパンタイムズの取材に応じ、日本が今後できること、すべきことについて見解を述べた。

「日本のグリーン・ボンド市場は、育てて、支援し、そして盛り上げていかなければならない余地がまだまだありますが、日本生命のように、すでにグリーン・ボンドのポートフォリオを有する投資家も出てきています」と、キドニー氏は語った。そして、「必要なのは発行する側です。タクソノミーの意義は、グリーン・ボンドの要件を満たしているかどうかの判断を、発行する側がしやすくなることです」と話した。

EU タクソノミーは、EU サステナブルファイナンスに関するテクニカル・エキスパート・グループによって策定された分類法で、経済活動の環境的持続可能性を測るものである。同グループは、6月18日に EU タクソノミーに関するレポートを発行し、その中で「気候変動対策に大きく貢献し得る」技術的な審査要件のほか、さまざまな提言を行なった。

キドニー氏は、EU タクソノミーは世界のほかの地域でも指針としての役割を果たすべきだとしながらも、日本は日本独自のタクソノミーを作成すべきだと述べた。そして、どの国もそれぞれ個別の状況があるため、それについて話し合い、タクソノミーに反映していくべきだと指摘した。

「例えば、農業などの分野は複雑で、日本は独自の要件を作るべきだと思います」と、キドニー氏は語った。

キドニー氏は、気候や経済、投資に関わる事柄は世界的な問題であるため、誰もが納得できる世界共通のタクソノミーを作るには、地域の特性や違いをまとめる必要があるとの見解を示した。

「ヨーロッパのタクソノミーではカバーしきれていない問題を、他国が対応できるということもあるのです」と、キドニー氏は語った。

そして、EU タクソノミーを国際的な基準にするために、世界の国々が EU タクソノミーを研究し、まだ取り上げられていないもので追加すべきものを検討するよう勧めた。

キドニー氏は日本政府に対して、グリーン・ボンドに関する各種の国際会議において、日本の存在感をより高めることを期待すると述べた。

「多くの環境技術において進んでいる日本には、大きなチャンスだと思います」と、キドニー氏は話した。そして、「中国やインドなど、日本の主な輸出相手国はすでにグリーン・ボンドに関する国際会議に参加しています。これを輸出機会として捉えるべきだと思います」と述べた。

さらなる持続可能性の追求と二酸化炭素排出削減という、野心的な目標を世界が達成するために、日本はこの分野において海外に追いつき、力を貸す側になってほしいと、力を込めて語った。

「日本は、レジリエンス(回復力)という点でも世界の先端をいっています。1500年代、日本の土地は持続可能でない農業や林業のせいで劣化していました。ですが江戸時代に入ってから、新しい政策が策定され、地域の農家にインセンティブと責任を与え、森林を保全させることで土壌の劣化防止に取り組んだのです」と、キドニー氏は話した。そして、「これにより、日本の森林面積は増え始め、土壌も改善されました。これはまさに、今世界に必要なことです」と述べた。

キドニー氏は、日本が木材の市場開拓においても、まだ大きなチャンスを有していることにも言及した。

「木材は最もグリーンな建材であり、家具製作の素材です。択伐と植林により炭素貯蔵が維持できていることを証明できれば、材木業や関連業界の企業は、どこもグリーン・ボンドの発行者になれます」と、キドニー氏は語った。

「重要なのは、タクソノミーのような基準を設け、何が正しいことかを産業界が把握できるようにすることです。そうすれば企業は、環境のために今後起こる変革を予想し、それに基づいた研究開発や投資計画を考えることができるからです」と、キドニー氏は述べた。

CBI は国際的な NGO で、借入資本市場を低炭素で、気候変動に強い経済への移行を加速させるためのソリューションに向かわせることに特化した活動を行なっている。

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