April 25, 2025
Vol. 47: FROM THE EDITOR
「令和6年能登半島地震」の発生から1年と4か月が経ちました。2024年の元日を襲ったこの地震では、死者・行方不明者230名、災害関連死321名と多くの尊い命が失われ、6,483棟の家屋全壊をはじめ16万棟を超える住家が被害を受けました(2025年3月11 日時点/内閣府)。その被害は石川県の能登半島に集中していますが、この地域の復興が今も遅れている点にはいくつかの理由があります。それは被災地域が、山がちの半島にあり三方を海に囲まれ地理的にアクセスが難しい場所であること。そのうえ道路・港湾施設といったインフラが地震で大きな被害を受けたこと。さらにこのエリアでは全国平均を上回る形で人口減少と高齢化が進んでいるという社会的な要因も重なっています。
能登半島は、美しい自然の恵みとも言える食材の豊かさや、輪島塗に代表される伝統工芸など、日本の魅力が凝縮された地域であるともいえます。今回は実際に能登半島を訪ね、復興がどのような形で行われているかを取材してきました。被災地域で復興のために尽力されている方々の声に、耳を傾けてみたいと思います。