April 05, 2023

【野村総合研究所】デジタル社会資本の創出で社会価値と経済価値の両立をめざす

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此本 臣吾 | COSUFI

野村総合研究所(NRI)は、株式会社として設立された国内で最初の民間総合シンクタンクだ。しかし、60年近く前の設立趣意書ですでに社会への貢献を謳っている。

NRIの設立は1965年で、野村証券の調査部門が分離したものだ。その設立趣意書を見ると、「研究調査を通ずる産業経済の振興と一般社会への奉仕」と書かれている。

「もともと設立された時からサステビリティ経営を実践できる素地があり、我々からすると特別なことではない」と此本臣吾社長は話す。昨年の8月には、NRIはジャパンタイムズがスポンサーを務めるサステナブル・ジャパン・アワードの大賞を受賞している。

そのような設立の経緯もあり、NRIは社会価値と経済価値が両立するようにバランスをとりつつ経営を行ってきた。此本によると、2002年に東京証券取引所に上場するまでの長い間、社会価値が優先される傾向があった。しかし株式上場を機に、より経済価値を重要視した経営が行われた時期もあったという。

NRIが再び社会価値の重要性に重点を置いたのは2019-2022年中期経営計画で非財務価値の定義を示した時だった。この中で同社は3つの社会価値を挙げた。「新たな価値創造を通じた活力ある未来社会の共創」、「社会資源の有効活用を通じた最適社会の共創」、「社会インフラの高度化を通じた安全安心社会の共創」である。

COSUFI

「社内ではまず、自分たちの事業活動はこの3つの価値のどこに貢献しているのかを具体的に考えてもらっている。まだお客様に対してこんな価値共創の提案もできるのではないか、その先の生活者のことを考えるともっとこういうことが提案できるのではないかと、事業機会の発掘に役立っている」と此本は話す。

中期経営計画で定義された3つの社会価値は、NRIが「デジタル社会資本」と呼ぶ概念に繋がっている。これは、コンサルティングやITサービスによって築かれる社会インフラのことを指す。

その一つの例は、2021年に株式会社小松製作所、株式会社NTTドコモ、ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社、NRIが建設業界にデジタル・トランスフォーメーションをもたらし、生産性や環境性の向上を実現させるために設立した新会社EARTHBRAINだ。

AIやデジタルツイン技術を使い、EARTHBRAINのサービスによって土木建築の際に仮想現実のシミュレーションの中で、最適な施工計画を作成することができる。これにより、それぞれの地形に最適化された土木材や効率的な人的資源を使うことができ、NRIはこのデジタル・プラットフォームを提供している。このプラットフォームによって、施工計画を立案するために通常数カ月かかる期間が1日に短縮することが可能になる。国内での少子化や労働力不足の中、このプラットフォームにより土木工事の効率化を図り、コストを削減することができる。

「デジタル社会資本を通じて社会価値を生み出すのはこういう事なのだと社員が気づき、自分たちはお客様にこう提案ができるかもしれないと次の事業機会に繋がっていくのではないかと思う」と此本は話す。

もう一つの例はマイナンバーカードを使ったサービスだ。昨年12月、日本生命保険相互会社は死亡保険金の請求勧奨にマイナンバーカードの失効状況を活用すると発表した。それまでは、保険契約者の生存確認をする必要があったが、NRIが提供するマイナンバーカードの個人認証サービスを利用することで契約者のカード失効状況を確認し、失効している場合には保険金請求の手続きを遺族などに案内する。

さらに、NRIは積極的にESG関連の情報開示をすることでも知られている。

「基本的に市場は賢いし欺けないと思っている。開示したくなくても、それは通用しない。それなら開示した方がいい。そうすると経営者のコミットメントに繋がるし、社内にもメッセージになる。情報開示のレベルは常にトップレベルの先頭を走っていきたい」と此本は話す。

このようなサステナビリティ経営の姿勢は高い評価を得ており、長期運用によってインパクト投資を目指す機関投資家へのアピールになると此本は言う。

NRIは自社のサステナビリティ経営だけではなく、顧客企業のサステナビリティも支援する。例えば、「NRI-CTS」というサービスで、顧客企業だけではなくそのサプライチェーンの温室効果ガス排出量を推定する。

将来のビジョンに関しては、未来の社会を構想し、ステークホルダーの利害調整を担いながらビジネスを切り拓いていくコーディネーターの役割を果たしていきたいと此本は話す。

例えば、経済産業省は昨年GXリーグ基本構想を発表し、参加企業による排出権取引の新市場を2026年までに創設することを目指し、そのためのルール形成の場を設けた。NRIはこの事務局を務めており、2022年度には700社近い企業が基本構想へ賛同したという。

「社会課題は複雑化しており、我々一人の力だけでは容易に解けないし、様々なステークホルダーとチームをつくらないと解決できないテーマが増えている」と此本は言う。「こういった状況をコーディネイトして動かすことが必要になっている。構想をつくり、関係するステークホルダーとの利害調整を行い、コーディネイトができる機関にNRIがなれれば良いと思っている」と此本は話した。

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