July 26, 2021

日本人が昔から使ってきた竹製品には、生活をよくする知恵が詰まっています。

ライター: 坂本愛

「オーガニック竹歯ブラシ」は、商品には向かない竹の“節”の部分も使用。パッケージに竹の端材を練りこんだ竹紙を使うなど、徹底して環境に配慮している。
写真提供/ MIYO-ORGANIC-

部屋や洗面所に置いておくだけで、消臭・調湿できる「「CHIKUNO CUBE / AIR FOR」。1個で約6畳まで効果があり、犬や猫などペットにも優しい。
写真提供/チクノライフ

プラスチックや木材の代替資源として、竹が注目を集めている。軽くて丈夫、加工しやすいという特性から、日本では古くから竹を活用。カゴやザルといった日用品、工芸品、建築資材として竹を利用してきた。縄文時代の遺跡(約4000年前)からは竹製の道具も見つかっている。

竹の魅力は、その生育の早さと強い繁殖力にある。1年に1回、地下に広がった茎(地下茎)の節にある芽から新しい竹が伸びると、わずか数か月で成竹に。ピーク時には、1日で1m以上伸びることもあるという。加工用に使えるようになるのは約3年後。つまり、木などに比べて、竹は再生サイクルの非常に早い循環型の素材と言える。しかし、1960年代の高度経済成長期にプラスチックが広まると、竹の需要は減少。使用後は土に還るなど、サステナブルな素材として再評価されるのは、近年のことである。

竹は、約3年で加工品として利用できるので、一般的な木に比べ、再生サイクルが早い循環型の素材と言える。
写真提供/ MIYO-ORGANIC-

竹を原料にした紙「竹紙」や次世代素材の開発、バイオマス燃料としての活用など、これまでにない竹の利用方法が模索される中、2020年12月に発売されたのが、〈MiYO-organic-〉の「オーガニック竹歯ブラシ」だ。「2018年の冬、出張先のホテルで、アメニティのプラスチック歯ブラシをふと見た時、夜と朝たった2回だけしか使われずに捨てられてしまうこと、それが世界中で行われていて大量のゴミが出ていることに改めて気づいたことが始まり。それを機に、心地よく使えて、オシャレで、地球にやさしい歯ブラシを作ろうと思ったんです」と、ブランド創業者の山本美代氏は話す。

厳選した孟宗竹を使用した歯ブラシは、着色も塗装もなし。漂白剤・防カビ剤も使わず、オーガニックな製法で作られている。ブラシ部分のナイロン素材には、環境ホルモンの一種と言われるBPA(ビスフェノールA)不使用のものを採用。日本人の口のサイズに合わせて、ヘッド部分が小さく作られているほか、日常的に使えるよう価格もリーズナブルに設定している。

MiYO-organic-のブランド創業者、山本美代氏。
写真提供/ MIYO-ORGANIC-

一方、消臭や調湿に効果のある、伝統的な竹炭を使ったユニークな商品もある。〈チクノライフ〉が手がける「CHIKUNO CUBE / AIR FOR」は、一辺約92mmの消臭キューブ。よく見ると、小さな六角形の穴が無数にあいている。粉末にした竹炭をハニカム構造にして表面積を増やすことで、消臭・調湿の効果を格段に上げているという。現代のライフスタイルに合うモダンなデザインに加え、メンテナンスは年1回の天日干しだけというのもうれしい。

近年、放置された竹林が、その強い繁殖力から無秩序に広がり、周囲の植生に影響を与える「竹害」が問題視されている。サステナブルな素材としての竹に対するニーズの高まりと、竹林の整備。この2つを結び付け、解決していくことが、今後の課題となるだろう。

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