June 23, 2023

江戸時代から続く東京の食文化の歴史と進化

Chefs and event producer, Naoyuki Honda.

「江戸前進化論-Evolution of Edomae, Ten-Hands Dinner」が5月21日に「Social Kitchen TORANOMON」にて開催された。このイベントは、東京都主催のイベント「Tokyo Tokyo Delicious Museum 2023」の特別企画として、本田直之氏(レバレッジコンサルティング株式会社 代表取締役CEO)がプロデューサーを務めた。世界を魅了する東京の食文化と歴史を世界に発信することを目的に、国内外のメディアや関係者が多数招待された。「日本の伝統料理を味わいながら、伝統料理も進化を続けていることを学び、体験してもらいたい」と本田氏は語った。

外食文化が盛り上がりを見せた江戸時代。今でもなお日本の食文化の中心にある江戸の四大名物、寿司、蕎麦、天ぷら、鰻は、気軽につまめる庶民の食として屋台で提供されていたという。江戸時代から数百年の時を経て進化を遂げた江戸前料理が、日本が誇る最高レベルのシェフたちによって振る舞われた。またそれぞれの料理には、こだわりのペアリングドリンクも提供された。

洗練されたイベント会場には、屋台をイメージしたオープンキッチンが設置され、本田氏が厳選した五つの銘店、「傳」、「鮨まつうら」、「天ぷら元吉」、「おそばの甲賀」、「はし本」が出店した。イベントスペースの前方には、歌川広重などの浮世絵が映し出され、江戸前料理の歴史と変化を体験することができた。これらの浮世絵は、江戸時代の風景や食文化を描いたものであり、江戸前料理の歴史的背景や伝統を感じることができた。また、イベントでは、東京2020オリンピック会閉会式などで音楽監督も務めたFPMの田中知之氏がDJを務めた。

2022年「アジアのベストレストラン50」で1位を獲得した渋谷区神宮前にある「傳」。店主・長谷川在佑氏は、季節感や昔ながらの伝統的な味を大切にしながら、新しい料理を作りたいと語った。日本の伝統的な菓子である最中の技法を活かし、干し柿、フォアグラの味噌漬け、いぶりがっこを詰めた「傳最中」。砂糖が貴重だった江戸の庶民にとって、干し柿は甘さを楽しむことができる贅沢品だったそうだ。

海外での経験を経て港区白金高輪にオープンした「鮨まつうら」の店主・松浦修氏は、江戸時代に使われていた調味料をアレンジしながら、江戸前寿司の進化を表現した。マグロの脳天、干瓢の入ったあん肝巻、小肌、江戸時代には食べることができなかった鮪の大トロ握り、赤むつのどんぶりを提供した。また赤むつどんぶりには、江戸時代に醤油の代わりに使われていた煎り酒を使用した。

2011年から13年連続ミシュラン1つ星を獲得している渋谷区恵比寿「天ぷら元吉」店主・元吉和仁氏は、食材を美味しく食べるために、天ぷらという技法を使う。熱々の天ぷらを食すのではなく、少し冷ますことによって、食材のおいしさを感じてもらえるものもあると元吉氏は語った。独自が開発した「北風」という名の機械を使って、揚げた天ぷらの温度を冷ましてから新玉ねぎなどの旬の食材が次々とテーブルに並んだ。

江戸前そばの調理技術を学び、ミシュランガイドにてビブグルマンに選出された港区西麻布の「おそばの甲賀」店主・甲賀宏氏は、すだちそばとキャビアそばを提供した。キャビアそばには、冷たい更科そばの上にキャビアがふんだんにのせられており、そばには大葉が練り込まれていた。更科そばに使う粉は、江戸時代では殿様に献上する粉だったという。当時の殿様が今も生きていたら、どんなお蕎麦を食べたいかを考えてキャビア蕎麦にたどり着いたと甲賀氏は話をした。

中央区八重洲にある1947年(昭和22年)創業「鰻 はしもと」の四代目を継ぐ店主・橋本正平氏。「うなぎの未来の相談会」を開催するなど、資源問題にも向き合いながら鰻料理の発展を目指す。癖のない鹿児島産のブランド鰻を使用して、鰻穂焼、鰻ざく、蒲焼と白飯が振る舞われた。また味付けには、江戸の調味料・山椒味噌でアレンジするなど、橋下氏ならではの江戸前鰻を楽しむことができた。

本田氏は、「たくさんの海外の方々が今日のイベントに参加するために日本を訪れてくれた。日本食の吸引力は強い。伝統料理だけど現代に至るまでに進化してきた江戸の四大料理。東京の江戸料理を改めて考え、学ぶ機会になってほしい。」と語った。食文化の歴史を感じながら、進化を魅せる江戸時代の四大名物を一度に味わうという、通常では体験することができない特別な一夜となった。

Subscribe to our newsletter

You can unsubscribe at any time.

PREMIUM MEMBERSHIPS

1-month plan or Annual plan 20% off!

Premium membership allows members to Advance registration for seminars and events.
And Unlimited access to Japanese versions of articles.

CHOOSE YOUR PLAN

Subscribe to our newsletter