March 28, 2025
横浜で開催される『GREEN×EXPO 2027』に迫る。
© JAPAN ASSOCIATION FOR THE INTERNATIONAL HORTICULTURAL EXPO 2027, YOKOHAMA
2027年3月19日〜9月26日に「GREEN×EXPO 2027(2027年国際園芸博覧会)」が神奈川県横浜市で開催される。1990年に大阪で開催された「国際花と緑の博覧会(花の万博)」以来、日本では37年ぶり2回目となる最上位クラスの国際的な園芸博覧会だ。
「GREEN×EXPO 2027」は「幸せを創る明日の風景」をテーマに掲げ、従来の園芸博覧会に留まらず地球規模の課題解決に向けた行動と発信を行う国際博覧会。花や緑との関わりを通じ、自然と共生した持続可能で幸福感が深まる社会の創造を提案することが目的だ。SDGsの目標年である2030年の3年前に開催される国際博覧会としてSDGsの達成に貢献し、その先の社会も見据えた日本モデルの提示や、グリーン社会の実現に向けた持続的な取組の発信も予定している。
横浜市は1859年に国際港として開港以降、園芸植物の玄関口となり、ユリをはじめ数々の植物が海外へ輸出されるとともに、バラやチューリップなどの西洋の花の輸入の先駆けとなるなど、日本の花き貿易の先進地だった。会場となるのはその横浜市の郊外に位置する「旧・上瀬谷通信施設」だ。この土地はかつて旧日本海軍の倉庫施設として使用され、戦後は在日米軍に接収され海軍の通信基地となり、2015年に日本政府へ返還された土地である。
東京都に隣接する神奈川県には戦前、旧・日本軍の基地をはじめ、関連する軍の教育機関や工場などが置かれていた。戦後は米軍を中心とする連合国軍がそれらを接収し駐留拠点としたことから県内には米軍基地が多く、“沖縄に次ぐ第二の基地県”と言われている。戦後80年が経ち返還はだいぶ進んだが、それでも2022年時点で12の米軍基地があり、その面積は約17平方キロメートルを占める(出典:神奈川県「県内米軍基地の現状」)。
旧・上瀬谷通信施設は2015年に返還された土地だ。約242ヘクタールと広大で、そのうち約100ヘクタールが博覧会区域となる。長期にわたり土地利用が制限されてきたことから、農地や緩やかな起伏の草地など豊かな自然環境が広がり、南北に流れる相沢川、和泉川の源流部、谷戸地形などの貴重な自然資本が残っている。その自然豊かな空間を利用した「GREEN EXPO 2027」の会場は、会期中は多種多様な花と緑で彩られる。花と緑に関わるプロフェッショナルたちが本博覧会でしか見られない庭園や花壇、生け花、フラワーアレンジメント、新品種・希少種などを出展する「花・緑」や、メインガーデンでは季節ごとに咲き誇る花の変化が楽しめ、海外から参加する出展者による庭園では世界各国の多様な花き・園芸、造園技術や地域ごとの特色ある展示を体験できる。
今回の博覧会それ自体の国際的な位置づけについても見てみよう。「GREEN×EXPO 2027」は、国際園芸博覧会として最上位のA1クラスに当たり、「国際園芸家協会(AIPH/本部:イギリス)」の承認に加え、「博覧会国際事務局(BIE/本部フランス)」の認定を受けて開催される。国際園芸博覧会は、国際的な園芸・造園の振興や花と緑のあふれる暮らし、地域・経済の創造や社会的な課題解決への貢献を目的に開催され、種別として「世界国際博覧会(A1)」、「国際園芸博覧会(B)」、「国際園芸展(C)」、「国際園芸見本市(D)」の4つのカテゴリーがある。世界国際博覧会は、国際博覧会に関する条約に基づき設置されているBIEに認定されると、「国際博覧会 (EXPO)」と称することができる。
国際園芸家協会(AIPH)は第二次世界大戦後の1948年、国際的なレベルで園芸生産者の利益と園芸技術の向上を図ることを目的に、ヨーロッパ各国の園芸生産者たちにより設立された。本部は英・オックスフォードシャーにあり、2022年の時点では世界各国の77の園芸・造園団体等により構成されている。A1クラスの国際園芸博覧会が初めて開催されたのは1960年、オランダ・ロッテルダムだった。以降、ヨーロッパを中心に定期的に開催され、1990年に大阪で開催された「花の万博」はアジア初開催だった。近年は中国やタイやトルコでも開催され、直近の2023年にはカタール・ドーハで開催されるなどワールドワイドな催しとなっている。
まもなく開幕を迎える「大阪・関西万博」では、木造の「大屋根リング」の中心部に森がつくられている。「静けさの森」と名付けられたそれは、自然との共生というこれからの社会が目指すべき姿を象徴するものだ。約2.3ヘクタールに1500本に及ぶ樹木が植えられ、この森を取り囲むようにパビリオンが並ぶ。私たち人類は、植物をはじめとする自然に生かされ、生命の潮流と循環の中で生きている。地球温暖化、生物多様性の損失、自然災害、食料危機など、地球規模の課題解決に取り組む「GREEN×EXPO 2027」では、どのような未来の風景が見られるのだろうか。
GREEN×EXPO 2027/International Horticultural Expo 2027, Yokohama, Japan
2027年3月19日〜9月26日に神奈川県横浜市で開催される、博覧会種別では最上位クラスの国際園芸博覧会。テーマは「幸せを創る明日の風景」、想定有料来場者数は1000万人。会場となる横浜市の「旧・上瀬谷通信施設」は、戦後長く在日米軍が通信基地として使用し、2015年に日本政府へ返還された土地。