June 28, 2024

農場から食卓へ:持続可能な循環型アプローチ

ライター:前田英美

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サステナビリティが重視される現代社会において、<ホテルコンチネンタル府中>(東京)と<東北牧場>(青森県)の提携は、循環型農業と「ファーム・トゥ・テーブル」を象徴する取り組みと言える。このパートナーシップを通じ、ホテルを利用する顧客に意義深い食体験を提供しているのだ。

京王線府中駅から徒歩わずか1分、東京西部の郊外に<ホテルコンチネンタル府中>は位置する。このホテルは自社運営の<東北牧場>と提携し、農薬や化学肥料を一切使用しない最高品質の有機野菜、果物、卵、山菜などを、ホテルで使用している。このホテルの売りのひとつが、毎週月曜日と木曜日に農場から届けられる食材なのだ。その食材を最大限に活かした料理の数々は、ホテル内のレストランで、日本料理をはじめ、フランス料理、中国料理、そして宴会場の料理にいたるまで、同様に提供されている。

<東北牧場>は、長年にわたり持続可能な有機農業を実践してきた。東京ドーム21個分の広さを誇る100ヘクタールの敷地では、100種類を超えるさまざまな農作物が大切に育てられている。この牧場は、もともとサラブレッドの育成を目的とした牧場として始まり、現在に至るまでその役割を変わらずに担い続けている。この牧場の自然農法は、サラブレッドの馬が排出する糞尿や馬房の干し草から作られる完熟堆肥を活用することで成り立っている。サラブレッド堆肥は、植物性有機物を豊富に含んでおり、最高級の堆肥として知られている。<東北牧場>代表の柏崎一樹は次のように説明する。「私たちが飼育している馬の中には、すでにレースを引退した馬もいます。引退したからといって、不要になるわけではありません。なぜなら彼らの糞尿が土壌を豊かにし、私たちの野菜を育ててくれているからです」。

牧場で実践されているこの理想的な自然資源の循環システムは、あすなろ鶏の飼育にも活用されている。広々とした鶏舎は風通しが良く、ストレスフリーな環境で鶏が育てられている。餌は、農場で栽培された無農薬のデントコーンを中心に、地元で採れた自然食材が与えられている。あすなろ鶏は美味しい味わいと、自然な黄色の卵黄を持つ高品質な卵を産む。さらに、ホテルの厨房から出る卵の殻や鶏の排泄物は、農場の土壌に混ぜ込まれ、作物の天然肥料として活用されている。こうして、持続可能な資源循環の輪が完成するのである。

<ホテルコンチネンタル府中>に勤めて3年になるアリャール・メガナット総料理長は、<東北牧場>の食材の質の高さに当初から深い感銘を受けたと話す。「この農園の大根を初めて口にしたとき、その味わいが故郷ネパールで食べていた大根に驚くほど似ていて、感動しました」。彼は両親がネパールで有機栽培していた野菜を鮮明に思い起こさせたと当時を振り返る。さらに、「<東北牧場>の大根には、野菜本来の野性味と辛味が凝縮されていて、まさに野菜の生命力を感じずにはいられませんでした」とその味わいを絶賛した。この経験をきっかけに、メガナットは<東北牧場>と緊密に連携を取り、同牧場の野菜が持つ本来の魅力を引き出す料理の提供に力を入れている。

Japanese-style afternoon tea with wildflowers. Right: Party food at the hotel banquet hall, mixing Japanese, Western and Chinese cuisine.

農園とホテルのパートナーシップは、単なる食材の供給にとどまらない。農園から届く10~30個の箱が到着する日には、ホテルの宿泊客だけでなく、一般の人も農園の農産物の開梱に立ち会うことができ、採れたての新鮮な野菜を味わうこともできる。通常は廃棄されてしまう野菜の部位も、スタッフのまかない料理やスープの出汁として活用されるなど、無駄なく調理に利用される。メガナット総料理長をはじめとするホテルの従業員は定期的に農園を訪問し、農園スタッフと作物の配分や食品ロスの削減について意見を交換する。総支配人の大住佑は、「レストランで提供した料理の写真やお客様からのフィードバックも農場に送っています」と話し、ホテルと農場との温かい関係性を強調した。

大住総支配人は、卓越したホスピタリティを提供する上で、農園とのパートナーシップが果たす役割の重要性を「お客様に満足していただきたい。おいしい料理を提供するために、調味料を含むすべての食材を私たちの基準で生産しています。これこそが私たちのおもてなしの精神です」と語る。また、ホテルでは宿泊客の滞在をより充実したものにできるよう、一人一人の興味に合わせて、府中周辺の観光スポットを紹介するサービスも行っている。実際ホテル周辺には、歴史ある大國魂神社をはじめ、有名な東京競馬場、美術館など、幅広い層が楽しめる魅力的なスポットが数多く存在する。

<東北牧場>は、有機農産物を東京のホテルに提供するという特有な循環型のビジネスモデルを通じて、持続可能な農業を実践していると言えるだろう。この青森と東京を結ぶ取り組みは、地方都市において雇用創出と経済成長を促し、地域活性化に貢献している。<ホテルコンチネンタル府中>は、東京という大都会の消費地で青森の魅力を発信するという課題に引き続き取り組みながら、この持続可能なパートナーシップの長期的な成功と地域の継続的な成長のために、今後も積極的な役割を果たしていく。

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