September 27, 2024

Vol. 40: FROM THE EDITOR

By YOSHIKUNI SHIRAI / EDITOR-IN-CHIEF

「きもの」は日本の伝統的な衣服ですが、現代を生きる日本人にとっては、少し遠い存在になっています。私はお茶を習っているので、茶会や茶会の手伝いの時などごく稀に、1年に1度くらいきものを着ることがあります。でも、着る前の準備から、当日の着付け、そして着た後のクリーニングなどのお手入れが本当に面倒で、茶会も大抵はスーツで済ませてしまいます。父親から譲りうけた大島紬のきものも持ってはいますが、桐の箪笥の中で、もう年々も眠ったままになっています。

日本人がきものを着なくなったことは数字にも表れています。売り上げ額を見てみると、ピークは1981年(昭和56年)の約1兆8000億円。以降、年々減少し続け、2023年(令和5年)には2240億円と、約40年間で8分の1にまで落ち込んでいます(矢野経済研究所『きもの産業年鑑』)。

今回は日本の伝統的工芸品である織物に関する特集です。日本人のライフスタイルの変化により、織物の最終的な行き着く先である「きもの」の需要が減少し、織物業界そのものが立ち行かなくなっています。その技術を次世代にいかに継承し、生き残っていくのか? 今回の特集では、“織物”を巡る数々の挑戦の現場を見てみたいと思います。

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