June 27, 2025

5年目を迎えた、日本の地方に注目したレストラン・リスト。

ライター:寺尾妙子

「Destination Restaurants 2025」に選ばれた10人のシェフと、審査員3名、辻芳樹、本田直之、浜田岳文、そしてジャパンタイムズ代表取締役会長兼社長の末松弥奈子。
PHOTOS: TAKAO OHTA

ジャパンタイムズが主催する「Destination Restaurants 2025」の授賞式が5月28日、東京・麻布台ヒルズの『Hills House Sky Room Café & Bar』で行われた。選出基準は「東京23区と政令都市を除く」場所にあり、食を通じて地域活性化の起爆剤となる店であること。5回目を迎える今年も新たに10店が選ばれ、各店のシェフが授賞式に参加した。その年を代表する1店「The Destination Restaurant of the year 2025」として、昨今、県内のシェフたちの連携によるガストロノミー・シーンが注目される富山県のイタリアン・レストラン『ひまわり食堂 2』が選ばれた。

式典はジャパンタイムズ代表取締役会長兼社長・末松弥奈子の挨拶で開会した。続いて来賓としてスピーチしたクールジャパン政策を担当する内閣府知的財産戦略推進事務局の奈須野太事務局長は、現在、インバウンド客が来日する最大の動機が、酒蔵巡りを含めた、バラエティ豊かな食体験であること。さらに「Destination Restaurants」の取り組みが地方創生に資するクールジャパン政策につながると述べた。また、日本政府観光局の若松務理事はインバウンドの消費額拡大のためには食を含めた文化体験をしてもらうことが重要だと語った。

乾杯の発声をする駐日ブラジル大使館副使節団長・首席公使のパトリシア・バルボサ・リマ・コルテス。

内閣府知的財産戦略推進事務局事務局長の奈須野太。

スピーチする日本政府観光局理事の若松務。

その後、表彰式が行われ、選ばれた10人のシェフが受賞コメントを披露。年々、日本の漁獲量が減っている事象を憂い「愛媛県の魚に感謝しつつ、100年後を考えて動きたい」と訴えた愛媛県『くるますし』高平康司をはじめ、地域そのものや生産者への感謝と食を通じた社会貢献への思いが各シェフから述べられた。『ひまわり食堂 2』田中穂積からは注目されにくい地方都市のレストランでも「努力をしていれば認められるDestination Restaurantsは夢がある」と感激を露わにした。

駐日ブラジル大使館のパトリシア・バルボサ・リマ・コルテス副使節団長・首席公使による乾杯の発声後、今回の受賞者のうち6人のシェフによる6皿のコース料理も振る舞われ、参加者たちは舌鼓を打った。

北海道・白糠町にある羊牧場併設の『ファームレストラン クオーレ』の「(パテ・ド・カンパーニュ)舌 頬 食道 血管 肺 横隔膜 心臓 胃袋 腎臓 大腸」。

鹿児島県大隅半島の『センティウ』の一品は「落花生豆腐 ラルドを重ねて」。

『ひまわり食堂2』が提供する小さな前菜は富山県名産の「白えびと蒸し豆腐」。

川苔の緑が目にも鮮やかな『日本料理 別府 廣門』の大分県駅館川 川苔の団子。

『オステリア シンチェリータ』の「焼き上げたグリーンアスパラ 山形の柿酢を使ったオランデーズソース」。

『オーベルジュ オーフ』の「ボタン海老の麹マリネとビーツ 赤紫蘇のソース」はみずみずしい味わい。

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