May 26, 2023

島の社会は、日本の未来の縮図である。

By TOSHICHIKA IZUMI

2023年5月現在、日本には416の人が住む島がある。一口に島と言っても面積や人口に違いがあるが、その有人島の7割に当たる305の島が「離島振興法」をはじめとした国の法律により、生活や経済活動に必要なインフラの整備や医療・教育などの分野において、補助金や税の特例措置などでサポートされている。

そのような優遇措置がないと維持していくことが難しい島での生活において、独自の取り組みにより島の持続可能な発展を試みる動きもある。例えば、日本の有人離島の中でも最大の面積を誇る佐渡島(新潟県)では、2015年以降、ベンチャー企業の創業やサテライトオフィスの創設、それに伴う雇用者数の増加などの実績が重ねられている。この背景には佐渡島の若手経営者を中心に、市・地元銀行・地元政治家が一緒になって誘致支援の団体をつくり、資金面を含めベンチャー企業の創業・誘致を働き掛けてきたことがある。島という隔離された場ならでの思い切った取り組みが功を奏した形だ。各島での成功事例を見れば、日本全体に必要な施策のアイデアが見つかるかもしれない。

燃油高騰や船舶の老朽化など、離島では交通インフラの維持・管理も大きな課題だ。
PHOTO: KAYO YABUSHITA

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