November 24, 2023
Vol. 30: FROM THE EDITOR
今回の特集のテーマは「次世代にどうやって名作住宅を残すのか」です。日本の建築家は世界各国で高い評価を得ています。建築界のノーベル賞と称される「プリツカー賞」を例に見てみると、受賞者数で一番多い国はアメリカ(8名が受賞)ですが、それに次いで多いのが日本となっています。日本の受賞者は7組で、1987年受賞の丹下健三を筆頭に、槇文彦、安藤忠雄、SANAA/妹島和世+西沢立衛、伊東豊雄、坂茂、磯崎新と続きます。
このように海外で日本人建築家の仕事が評価されている一方、日本国内では著名な建築家が設計した住宅といえども、正当な評価をされずに、様々な理由により取り壊されているという現状があります。これには日本の法制度や税制、または日本人の建築文化に対する理解の無さが関係していますが、この問題に向き合っている人たちもいます。今回は、日本での名作住宅保存の問題について考えてみたいと思います。