September 29, 2023
Vol. 28: FROM THE EDITOR
今回の特集のテーマは、「物・事を、世代を超えて、引き継ぐ」です。今年7月、京都・大徳寺で、アメリカで茶道を教える師範による茶会が行われました。その茶会のコンセプトは“世界の宝飾品と茶道具の融合“。その根底には”旅“という考えも流れています。この会では<ティファニー><ルイ・ヴィトン>といった有名ブランドのアイテムを茶道具に見立て、客人を迎え入れました。
お茶会で一番大切なのは「おもてなしの心」です。主人は招待客をもてなすために細心の配慮をしつつ、茶席の準備をします。そのために必要なのがお道具の数々。それは単なるモノではなく、茶会のテーマに添って揃えられ、主人と客に一期一会の場を与える重要な演者となります。
そんな茶席で使用されるお道具には、長年愛用され、世代を超えて引き継がれてきたものも少なくありません。では大徳寺の茶席では、どのような道具が準備され、どのような物語をまとったものか。今回の特集では、世代を超えて引き継がれてきた、ストーリーに満ちた道具の数々と、その背景にある日本文化の心を紹介します。