July 09, 2026

「Destination Restaurants 2026」授賞式リポート

ライター:寺尾妙子

今年2026年に「Destination Restaurants」を受賞した10店のレストランのシェフたち。
PHOTOS: TAKAO OHTA

ジャパンタイムズが主催する「Destination Restaurants 2026」の授賞式が5月26日、東京・麻布台ヒルズの『Hills House Sky Room Café & Bar』で行われた。「日本の風土の実像は都市よりも地方にある」という考えに基づき、「東京23区と政令都市を除く」場所にあるレストランを対象とし、食を通じて地域活性化の起爆剤となる店かどうかを基準に、2021年から毎年10店を選んできた。6回目を迎える今年も新たに日本各地の10店が選ばれ、各店のシェフが授賞式に参加した。

受賞者に手渡された輪島塗の盾。能登半島地震の復興支援を兼ね、石川県金沢市に店を構える安永9年(1780年)創業の漆器店『能作』に制作を依頼した。

式典はジャパンタイムズ代表取締役会長兼社長・末松弥奈子の挨拶で開会。まるで「Destination Restaurants」の歩みに沿うように、地方のファインダイニングが増え、インバウンド客からの注目も高まる状況に「私たちも多少なりとも貢献できたのではないか」と述べた。来賓によるスピーチの後、審査員の辻芳樹、本田直之、浜田岳文の3名による授与式が行われ、10人のシェフにそれぞれ石川県金沢市の漆器店『能作』が制作した輪島塗の受賞盾が手渡された。

授賞式で挨拶をするジャパンタイムズの発行人で代表取締役会長兼社長の末松弥奈子。

その年を代表する1店「The Destination Restaurant of the Year 2026」に選出されたのは、宮城県気仙沼市のフカヒレ料理専門店『気仙沼 KUROMORI』。オーナーシェフ、黒森洋司は受賞の喜びを伝えるとともに「フカヒレは世界的にはネガティブな一面もある食材なので海外の方からは拒絶されることもあるが、気仙沼ではサメを余すことなく利用しているということを伝えないといけない。世界でうちでしかできない、気仙沼に来ないと食べられないフカヒレ料理を作り人を呼び込みたい。ネガティブなイメージもあるフカヒレをポジティブな食材に変えていきたい」と今後の抱負を語った。

Destination Restaurants of the Year 2026を受賞した『気仙沼KUROMORI』のシェフ、黒森洋司。

3人の審査員も受賞シェフに祝福の言葉を贈った。「この賞を通じてできたネットワークを通じて、今後も研鑽してもらえれば」(辻)。「シェフのみなさんにはどんどん日本を盛り上げてもらいたい」(本田)。「みなさんのおかげで、地方でもお店が成り立つようになってきた。このような日本の状況は海外のシェフからも注目されている」(浜田)。

さらに会場では、今回の受賞者のうち7人のシェフによる地方色と創造性豊かな7皿のコース料理やサントリーウイスキー「響」のハイボールやプレステージシャンパン「グラン シエクル」が振る舞われ、盛会のうちに幕を閉じた。

最初の一品は北海道『炉ばたとワインK』の「釧路産パプリカのクリーム 白糠酪恵舎のモッツァレッラ」。

薪火で野菜の甘みを引き出した長野県『mano(マノ)』の「薪の香りをつけたサブレとムース ローストパプリカ」

地元の伝統的な名産品を主役に、モダンにアレンジした福井県『TSUKIHI(ツキヒ)』の「昆布と塩うにのパイ」。

柑橘類と山椒のような香りをまとった奈良県『SÉN(セン)』の「キハダの実/じゃがいも」はサクサクした食感。

『山形座瀧波 Ukitomam(ウキタム)』の「鯉と山菜のロトンド」は山形の清らかな空気と水に育まれた味がする。

江戸時代に捕鯨で栄えた佐賀県唐津市の 『Restaurant Présage(レストラン プレサージュ)』による「鯨のキッシュ」。

層をなす軽やかな生地としっとりしたチャーシューの出会い。宮城県『気仙沼 KUROMORI』の「チャーシューパイ」。

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